湿式メッキ(ウェットプロセス)法の特長

湿式メッキとは、

金属を溶かした水溶液中で、メッキ加工をするプロセスです。 整流器からの電気を流しメッキ皮膜をつける電気メッキや化学反応を利用してメッキ皮膜をつける無電解メッキがあります。

湿式メッキ法 ニッケルメッキ

湿式メッキ法  ニッケル(緑色の水溶液)

 

湿式メッキ法 硫酸銅メッキ

湿式メッキ法  硫酸銅(青色の水溶液)

メッキの加工方法には、電気メッキ(金メッキ銀メッキ錫メッキニッケルメッキ銅メッキ亜鉛メッキクロムメッキなど)無電解メッキ(無電解金、無電解ニッケル、無電解銅、無電解錫)のような湿式メッキ法

 

・溶かした金属に浸漬してめつきする溶融メッキ法

・真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリングのような乾式メッキ法 などがあります。

コダマでは、様々なメッキを取り扱っていますが、すべて加工方法は湿式メッキ法が使われています。
ここでは、湿式メッキ法の特長を紹介します。

湿式メッキの特長

湿式メッキ法は、省資源、高価な金属も節約

金メッキは膜厚0.1μmの厚さで、導電性などの特性を付与することができるため、接点端子やコネクタなどに用いられています。一般的なメッキ皮膜は数μmから数10μmの厚さで素材を腐食から守ることが出来ます。

 

例えば、自動車のバンパーのように鉄素材に下地メッキとしてニッケルメッキを膜厚20μm加工し、上層にクロムメッキ膜厚0.2μm加工した場合とステンレスのSUS304とニッケル、クロムの比率比較するとメッキの場合には鉄/ニッケル/クロムの比率は96/4/0.04ステンレスの場合は76/8/18です。

 

高価なニッケル,クロムを節約でき経済的であると言えます。ニツケルやクロムより高価な材料である金メッキや銀メッキになるとメッキの経済性がより大きくなります。

 

湿式メッキ法により様々な機能を付与可能

湿式メッキで付与できる機能には、はんだ付け性、電気抵抗、 磁気特性、 耐食性、 耐摩耗性、非粘着性など多くの機能を持たせるためにメッキ加工されています。
素材表面を高機能化する技術として、湿式メッキが注目されています。

あらゆる素材にメッキ加工可能

鉄、SUS,銅、アルミ、亜鉛ダイカスト、チタン、マグネシウムなどの金属材料や樹脂、セラミックス,粉末など非導電性材料まで幅広い素材に対して加工することが可能です。

外観は、メッキ浴の選択と添加剤の選択により光沢、半光沢、無光沢の表面状態のメッキが得られます。

メッキ皮膜の膜厚は、薄膜~超厚付けまでメッキ加工可能

電気メッキの場合には、電流密度と時間により調節し、無電解メッキの場合には時間、浴温度によりメッキ膜厚を自由に変えることができる。
真空系のメッキは厚膜が得にくく、溶融メッキは薄膜が得にくい。

 

シャフトなどは,メッキの膜厚で最終製品の寸法精度を調整されている場合もある。 得られる皮膜が均一で,ばらつきが少ないので、品質の安定性が高いと言えます。

 

大きな製品から、小さな製品までメッキ加工が可能

メッキラインや装置を選択することにより、大きなものは直径3 mくらいのロールから、小さなものは0.1 μmくらいの粉末までメッキ加工が可能です。

複雑な形状のものにもメッキ加工が可能

ネジの山と谷にも均一なメッキを施すことができる。とくに,無電解メッキはこの特性が優れています。

部分メッキ加工が可能

メッキ方法の選択やマスキング方法により必要な部分のみメッキができます。

 

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参考文献:電子部品のめっき技術  榎本英彦・中村 恒 著

 

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特級めっき技能士 児玉義弘
株式会社コダマ 専務取締役 児玉義弘 特級めっき技能士・毒物劇物取扱責任者・公害防止管理者(水質2種)

職人が語るコラム 解説者

めっき職歴30年以上 父が創業のメッキ加工工場で小学生の時からラッキング作業・メッキ加工に関わる。大学卒業後は、電子部品のメッキ加工を得意とされる東京のメッキメーカーにて修行し、メッキ技術と経営ノウハウを学ぶ。

コダマ入社以来、現場、品質保証、新規営業を担当し、現在は新卒採用活動、新規事業の検討、戦略の立案などに注力している。

 

 

 

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