メッキの品質管理 前処理工程 酸処理ってなに?

🧪小学生でもわかる! そもそも「酸処理」ってなに?

鉄などの金属は、熱や空気に触れると**酸化膜(サビのようなもの)**ができるよね。

この酸化膜の上にメッキをしても、うまくくっつかないんだ。

メッキ加工/ 酸活性工程
メッキ工程 前処理 酸処理・酸活性

だから、まずはこの膜を酸でキレイに落とす必要がある!

これを「酸処理」っていうよ。    コダマの品質管理はこちらをご覧ください

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「酸処理」ってなに?

   

✨ 酸処理の2つのタイプ

 種類 目的 酸の濃さ
通常の酸処理 厚いサビ・スケールを落とす 濃い酸
酸活性(活性化) メッキ前の薄い膜を落とす 薄い酸

🧴 使うものは?

  • 塩酸や硫酸を使うのが一般的

  • もっとよく効かせるために、ちょっとだけ**薬剤(界面活性剤やインヒビター)**を混ぜることもある


💥 水素脆性(すいそのぜいせい)って?

強い鉄(高張力鋼など)を酸で処理すると、水素が中に入りこんで壊れやすくなることがある!

これを「水素脆性」っていう。

水素脆性を防ぐ方法:

  1. 酸をうすくして、時間も短くする

  2. 薬剤(インヒビター)を使う

  3. 酸で長く処理しないために、ショットブラストなどを先に使う

  4. 酸処理のあとに、お湯でアルカリにつけると水素が出やすくなる

  5. メッキのあと、200℃で5時間くらい熱をかけると水素を追い出せる


🧪 酸処理液の管理も大事!

  • 酸の力が弱くなったら補充するけど、鉄が溶け込みすぎると、逆に金属を削りすぎることもある!

  • だから…

    • 酸の濃さ → 滴定でチェック!

    • 中に溶けた金属 → 専用の機械でチェック!

ポイント:

酸は「薄くして、よく取りかえる」方が安全でメッキもキレイ!


🧠 まとめ

  • メッキをうまくつけるには、まずサビや汚れを酸で取ることが大事!

  • でも酸が強すぎると素材が壊れることもあるから、使い方や管理がすごく重要!

特級めっき技能士 児玉義弘
株式会社コダマ 専務取締役 児玉義弘 特級めっき技能士・毒物劇物取扱責任者・公害防止管理者(水質2種)

職人が語るコラム 解説者

めっき職歴30年以上 父が創業のメッキ加工工場で小学生の時からラッキング作業・メッキ加工に関わる。大学卒業後は、電子部品のメッキ加工を得意とされる東京のメッキメーカーにて修行し、メッキ技術と経営ノウハウを学ぶ。

コダマ入社以来、現場、品質保証、新規営業を担当し、現在は新卒採用活動、新規事業の検討、戦略の立案などに注力している。

 

 

 

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